4月のある日、23歳の男性のクライアントが来院しました。
笑顔がなく、心も暗い感じでした。
症状は腰痛で、1ヵ月前に重たい物を持ってから痛いそうでした。
勤務地は、神奈川県川崎市。
この時期に、あれ~~と思い。
アンテナが広がりました。
体を検査し、頭を触った時でした。
やっぱり。
わ~~。
この子の職場は、大変な職場だと解りました。
「ストレス溜まっているでしょ~」
ハイ。
「夜寝られる? 寝つきが悪いでしょ」
ハイ。
「職場で、相当な圧を受けるでしょ」
ハイ。
「もしかして、奴隷みたいに扱われるでしょ?」
ハイ。
その話しをしたとたん、23歳の彼の心は動いて来ました。
話しを進めると、相当過酷な環境に居るようでした。
いわゆる、ブラック企業ですね。
毎日、心に突き刺す暴力的な言葉。
毎日、極限まで肉体を使わされる。
これでは、心閉ざすはずです。
人から酷い扱いをされた心と体と、人から大事に丁寧に褒められ愛を受けた心と体とでは、天と地の差が出ます。
いないと思ったのですが、職場に尊敬できる良い大人いる?と聞きましたら、首を横に振りました。
私は「君はその会社で今までず~~~と頑張ってきたんだね」
「私だったらスグにその会社を辞めるよ~」
「しかし、君は凄い根性だね」と言いました。
そしてさらに言いました。
「もしかして、君は自分に自信がないんでしょ」
「次の仕事を探すことが出来なんでしょ」
「だから、本当は居たくない会社に今いるんでしょ」
ハイ。
私の個人的な考えだけど・・・
「その会社を辞めたほうがいいよ~」と、つい言ってしまいました。
次いで、自信について話をして診療を終了。
私たちの立場で、人(クライアント)の職業に首を突っ込むのは良くないとは思うのですが・・・
でも、その彼に前向きなエネルギーが動きだしたのは確かでした。
肝心な主訴の腰痛はスッキリ取れたので次の来院はないと思います。
彼にとって、居るべき場所へ行け、良い出会いがあるよう願った平成28年4月のある日でした。